アニメ「進撃の巨人」が、ついに、ついに最終回を迎えてしまいましたーーー!!!
リヴァイには生き残ってほしい。呪いがかかったエレンとアルミンにはなんとか長生きして幸せになってほしい。
多くの犠牲がある上での希望ある結末、じゃなくて、今いる皆が全員生き残った上でのハッピーエンドになってほしい。
そう思っていたのですが、なかなか現実は、そう甘くはなかった……(泣)。
地ならししたいエレンの気持ちもわかる
私は、以前も書いたように、エルディア人がそれまで非人道的に迫害されすぎてきたことを思えば、エレンの地ならしは、それをやりたくなる気持ちもわかると思っていました。
確かに大多数の、エルディア人迫害に直接加わっていなかった人々の平穏な暮らしが踏みつぶされるのは、その人々の気持ちになれば本当にやめてほしいという感じなのですが、それをやらなければ、エルディア人はやられっぱなしになり、滅んでしまうかもしれない。
生き残りたいから反撃する。それは不自然なことではなく、そうされたくないのなら、エルディア人をそこまで追い詰める前に、エルディア人以外の人類はもっと考えて手を打つべきだったのに。
もっとエルディア人の人権を認め、優しく接するべきだったのに。
ひどくしすぎたんだよ。
皆でエレンを止めようとすることに違和感
けれど、エレンの仲間たちは、エレンを止めようとするんですよね。
そのために、今までの敵と味方が協力して、エレンに立ち向かっていく。
この流れは、私にはけっこうな違和感で、それまで、本当にリアリティがあって現実世界のように見えていた「進撃の巨人」の世界が、急に普通の、作り物の漫画の世界になったように思えて、ちょっと残念でした。
確かに、それまで敵対していた者同士が手を組んで、新たな共通の敵に向かっていくというのは、そこだけ見れば胸が熱くなる展開とも言えるかもしれないのですが、その敵っていうのはエレンですよ??
仲間じゃないですか。同じエルディア人じゃないですか。しかも、エレンは、エルディア人は残そうとしているんですよ?
エルディア人もろとも皆殺しにしようとしているエレンを止めたいというならわかる。
でも、エルディア人のことは残そうとしているエレンを、エルディア人が生き残るために奮闘しようとしているエレンを、止めようとするってどういうこと?
もはやエルディア人の敵みたい
そんな手段じゃなくて、もっと誰も死なずに済むような、平和な方法を模索したいということなんだろうけれど、そりゃあそんなことができればベストだが、それができない、今まで長年できなかったからこんなことになっているのでは?
エレンを止めた結果、エルディア人が全滅するハメになったら、どう責任取ってくれるんだ。
エレンを止めるという目的のため、イェーガー派のエルディア人をコニーが殺したりして、もはやエルディア人の敵みたいになっている調査兵団の面々がちょっと受け入れがたかったです。
エレンの死が残念すぎる
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))そして最終的にエレンはミカサによってその命を絶たれ、地ならしも壁外人類を2割残した状態で終わることになります。
巨人の呪いが解けて、巨人化の力がエルディア人から失われ、知性巨人の力を得ていたメンバー(アルミンとかライナーとか)の寿命が延び、仲間たちが家族と再会でき、良いこともたくさんあったのですが、それと引き替えのエレンの死というのがどうにも残念すぎます。
エレンはアルミンとの最後の会話の中で、
死にたくねえ。ミカサと、みんなと一緒にいたい。
と本音を漏らしています。
あーーー可哀想なエレン。
運命に翻弄されて、みんなと一緒にいたいというささやかな夢すら、持つことが許されなかった。
どうにかならなかったのかなあ。どうにか、エレンが生きたまま、巨人の呪いが解ける方法がなかったのかなあ……(泣)。
ユミルがフリッツ王を愛していたとは。
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))何でこんなことになった? と考えていくと、まずユミルのことに行き着きます。
ユミルは、巨人の力を得たあとどうしてフリッツ王の元に戻ったのか不思議だったのですが、なんと、ユミルはフリッツ王のことを愛していたというではありませんか??
その、フリッツ王への愛が、ユミルを2000年縛り続けて、それが巨人の力が今も存在する理由だって……そんなことあるぅぅぅ??
フリッツ王を愛していたって、何で?? さすがにおかしいやろそれは!!
フリッツ王を愛せる要素、1㎜でもある?? 奴隷生活のせいで精神状態がおかしくなっちゃってたのか?
それで、フリッツ王をエレンに重ね、自分をミカサに重ね、ミカサが、愛するエレンへの執着を振り切ってエレンを殺した様子を見て、自分の思いも昇華させたみたいな……そういうこと??
自分が成仏するのに他人に人殺しをさせるとか、迷惑すぎるんですけどぉぉユミルゥゥ~~。
もっと哲学的な、高尚な理由があるんだと思っていたのに、そんな煩悩的な、色情的なことが理由だったんですか。苦しいのはわかるけど、勘弁してくれよおお~一体どんだけの人がそれに巻き込まれて人生ぶち壊されたと思っているんだよおお。
(あと、豚を逃がしたのってユミルだったんですね?? てっきり冤罪かと思っていたのに。お前だったんかーーいとズッコケました。)
フリッツ王が元凶
でもまあ、もっとさかのぼって考えれば、そもそも初代フリッツ王がユミルの村を焼き討ちにして村人を奴隷にしたりしなければユミルも巨人化の力を得ることはなかったわけですから、一番悪いのは初代フリッツ王ということになると思います。
初代フリッツ王の強欲さ・非情さ・身勝手さがエレンの悲劇を招いたわけですよね。
初代フリッツ王の罪は重すぎる~~~。ちょっとでも逆らうとすぐ処刑してきそうな人だから、正しい意見を言えるような側近もいなかったんだろうな……。地獄で反省してほしい。
リヴァイが生き残ったのは嬉しい
と、まあ、希望とは違う流れになった部分もあったラストではありましたが、希望が叶って嬉しかったこともありました。
その筆頭が、リヴァイが生き残ったこと!!
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))↑リヴァイは、ジークの爆発に巻き込まれて再起不能クラスの傷を負い、片目と指二本を欠損しましたが、その状態で最終決戦に挑みました。
それだけでも感動ものなのに、最後の戦いの最中、やっぱりリヴァイは強かった!!
さすが人類最強です。リヴァイ兵長です。
部下思い健在
そして最後まで部下思いだった。敵に食われそうになっていたジャンとコニーを助けました。そのせいで新たな深い傷を右太ももに負い、本当にボロボロで、作者にいじめ抜かれた感がありましたが、生き残り、地ならし後の世界では車椅子に乗り、子供たちにお菓子を配る姿が描かれていました。
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))↑右目は、眼帯もせず、閉じているわけでもなく、もうありのままをさらす感じ。この潔さがリヴァイっぽいなと思いました。
顔の傷跡は、ハンジが縫ってくれたもの。リヴァイとともにハンジも生きているんだなと思わされました。
リヴァイ、ついにジークを討つ
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))↑そして、ついに!! リヴァイの悲願、ジーク討伐が果たされました!!
今までジークのことは不自然なくらいに取り逃がしていたので、リヴァイもこれでようやくホッとできたでしょうね。やっとエルヴィンとの約束が果たせました。
でもジーク、戦う気ゼロでしたね。むしろ、自分から進んで、リヴァイに殺されるために身を差し出していた。
自分(ジーク)が死ぬということは、エレンの力が発動できなくなるということで、それはつまり地ならしの停止=人類の命を救うことになります。
それまで生きることに対して否定的で、生まれてこない方が良かったと思っていたジークが、クサヴァーさんと無心でキャッチボールしていたときの楽しさを思い出し、そこに生きる意味を見いだして、生きること、生まれることを肯定できるようになったから、リヴァイの前に姿を出したんですよね。
ジークにも被害者の面はあり、可哀想なところもあったので、その凍った心が最後に少し溶かされたのは良かったなと思いました。
もっと早く改心できていたら、色々と違ったんだろうに……(泣)。
ジャン、コニー、ガビ巨人
(画像出典:ABEMA 進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編))↑最終回を見ていてピンチを感じる瞬間は何度もありましたが、中でも一番「終わった」と思ったのは、ジャン、コニー(ついでにガビ)が巨人になってしまったのを見たときでした(笑)。
まさかジャンとコニーが巨人化したところを見る日が来るとは。
コニーもジャンもけっこう原形を保っていて、特にジャンは面影がありますが、ガビの描写には悪意がありませんかね(笑)。
この姿を写真に撮ってあとでガビに見せたら、絶対ガビは怒ると思います(笑)。
ジャンとコニー、ライナーのお母さん、その他、あの場で巨人になってしまったエルディア人が元に戻ったのは本当に良かったです。
Linked Horizonも良かった
主題歌が
やっぱり「進撃の巨人」といえばLinked Horizon。
でも最近はLinked Horizonではないアーティストの楽曲が採用されることが多く、最後もその流れなのかな、でも最後はLinked Horizonで締めてほしいな……と思っていたので、制作陣、わかってるぅ~! と思いました。
最終回の一番最後で流れました。愛する人を失った悲しみと、無益な破壊を繰り返す人類への諦念、でも希望は捨てないという明るさを感じさせる曲で、進撃の巨人を締めくくるのにふさわしいものだったと思います。
ジャンとミカサが結婚したという噂
あと、アニメ最終回後に、ネット上で皆さんのコメントを色々読んでいる中で、ミカサはジャンと結婚したようだという声をちらほら見かけました。
なんでも、「進撃の巨人」単行本の最終巻(34巻)で加筆されたページに、エレンのお墓参りに来ている子連れの夫婦が後ろ姿で描かれ、その夫婦がどうやらミカサとジャンのようだということなのです。
私もその画像を確認しましたが、確かに女性はマフラーをしていてミカサっぽく、男性は、ちらりと見える横顔と髪型、チョビ顎髭がジャンっぽい!!
それがジャンとミカサであると明言されているわけではなく、読者の想像に任されているようですが、私はパッと見て「これはミカサとジャンだ!!」と思いました。
ミカサとジャンの結婚には賛否両論
ミカサとジャンが結婚しているかどうか、また、結婚していたとしてそれに賛同できるかどうかは、ネット上を見ても色々な意見があるようですが、私は、ミカサとジャンが結婚してくれたら嬉しいです。
というのも、私は、進撃の巨人序盤で、ジャンがミカサに一目惚れして、「とても綺麗な黒髪だ…」と勇気を出して言ったのに、その後、エレンとの仲を見せつけられて速攻で失恋していたのが不憫で仕方なかったのです。
ジャンって良い人ですよね。物事の考え方もまともだし。ツンデレな優しさがあるというか。だから、エレン亡き後、きっとミカサにつかず離れず寄り添い続け、長い年数を経たのちに自然な形で夫婦になったんじゃないかなと思います。
ミカサはずっとエレンが一番だと思いますが、すべてを共に体験してきた仲間として、そういうミカサの思いも理解した上で、ミカサを愛してくれるのがジャンだと思います。
ジャンの初恋が報われて良かったねという気持ちです。
ライナーの初恋は報われてない
その点、ライナーの初恋は報われず、ちょっと気の毒です。
でも最後まで、ヒストリアの文字列にうっとりして手紙の匂いまで嗅いだりして、その一途さはすごい。
ヒストリアとの恋はもう無理だけれど、ライナーも、新たに心ときめく誰かと出会って、温かい家庭を築いてくれたら良いなと思います。
ライナーって、初期は敵で、最初はあまり良い感情を持てませんでしたが、その後、真実を知って精神的に追い込まれ自殺寸前まで行ったり、この最終回でもかなり肉体的にボロボロにされて、最後は「鎧の巨人だから爆発に耐えられるはず」という理由で一人取り残されて超大型巨人(アルミン)の爆発を食らっていたり、なんだかひどい目に遭いすぎて同情を感じるキャラになりました。
皆を失った寂しさ
そして、アニメ「進撃の巨人」を最終回まで見て、胸の内を一番満たしたのは寂しさでした。
たくさんの仲間を失ったことを改めて突きつけられた気持ちでした。
巨人の呪いもなくなり、ある種の平和が訪れ、トータルでは良かったのかもしれないのですが、たとえ平和じゃなくても、みんなが生きていた頃の方が幸せだったなとどうしても思ってしまいます。
トラブルや喧嘩の絶えない毎日でも、みんなが生きていて賑やかな笑い声のあった日々が懐かしい。
ありふれた日常の輝き
「進撃の巨人」の単行本9巻に、サシャが巨人に追われて絶体絶命になるシーンがあるのですが、そこでサシャの脳裏に浮かんだのは、クリスタやユミルとの何気ない日常会話の風景でした。
何で…こんな時に思い出すのは… 取るに足らないいつもの日常… そんな…思い出ばっかり…
とサシャは思うわけですが、最終回後、まさに、私がそんな気分でした!!
エレンに巨人化の能力があるとわかって、エレン本人も周囲の人も驚いていた頃のこと。
リヴァイ班が古城の掃除を命じられたときの、リヴァイの三角巾姿……。
楽しかったなあ、あの頃は。こんな結末を迎えることになるとは知らずに……。
皆を生かしたまま皆で平和になる方法はなかったのか。巨人の力を持っていても平和に生きる方法はあったのではないか。どうしても、皆が亡くなる未来を回避したくなります。
「決まった未来」はないはず
進撃の巨人は、悲劇的な美しさを
エレンは、どうひっくり返ってもどうしても人類が8割滅亡する未来しか見えない、その未来は決まっている、というようなことを言っていましたが、未来が決まっているなんて、そんなことあるか?? と思います。
今この瞬間の選択の数だけ、未来の数もあるはずです。
エレンにはその未来しか見えなかっただろうけれど、実際にその未来がまだ目の前に現れてはいないのに、決めつけて諦めるのは、ある種の逃げなんじゃないか?
未来が変わることに賭けてほしかった
本物の未来じゃなくて、ただの妄想の類かもしれないのに。どうしてそれが本物だと確証が持てるのだろう。
未来は決まってない。決まっていたとしても絶対変えてみせる。そのくらい思って頑張ってくれよ。そっち方面で戦ってくれよと思います。
未来って、決まっていないから面白くて、そこに生きる価値があります。努力の甲斐があります。いくらでも自分次第で変えていける。それが人生の本当のところだと思います。
「進撃の巨人」本編自体をエレンに見えた未来ということにして、「その未来にならないよう抗ってみた」という続編が見てみたいです(笑)。
進撃の巨人が終わってしまって寂しいが
こんなに長い間追い続けたアニメはこれが初めてで、視聴がずっととても楽しみでした。
その楽しみが終わってしまって、喪失感がありますが、これからは、今までネタバレを避けるために徹底的に見ないようにしてきた色々な考察などを読んで楽しみたいと思います。
大人の鑑賞に堪えうる、すごく奥深くて面白い作品でした。
単行本は9巻しかもっていないので、最終巻の購入を検討しています。原作ではアニメの最終回がどのように描かれているか興味があるので。
「進撃の巨人」が作品を通して伝えていた、「争いの歴史は繰り返される、未来は変わらない」というのを現在の地球で回避するために、今ある現状に感謝して、人々の暮らしが守られるように祈りながら生活していきたいです!