鬼滅の刃。
私がたまに見るYouTuberがこのアニメのファンでよく話題にしていたので、へえ、そういう作品があるのかあとは思っていたのですが、ちょっと興味を持った頃にはもうアニメ放送も終わっていて、完全に出遅れた形になっていました。
だからといってそこまで気にしてもいなかったのですが、なんと!! 今年(2021年)のゴールデンウィーク期間(5月1日~5月9日)にABEMAでアニメ「鬼滅の刃」の全話一挙無料配信が行われると知り、エーッ、何それ、そんな機会、逃さない手は無い!! と、ガッツリチェックさせてもらって、幸運なことに、全26話を視聴することができたのでした!!
家族の死は防げなかったのか
このお話は、主人公「竈門炭治郎」の家族が鬼に殺されてしまうところから始まるわけですが、ちょっとここは見ていて歯がゆいものを感じました。
だって、鬼に対する備えが弱すぎん?
出るはずのない場所に本当に唐突に鬼が出たとかならまだ仕方ないのかもしれないのですが、炭治郎の祖母も鬼について言っていたというし、もう少し、鬼が出た場合の備えをしておいてほしかったなと思います。武器を用意しておくとか。それこそ藤の花のポプリでも持っておくとか。
(藤の花が鬼退治に役立つというのは鬼滅の刃の世界においてあまり周知徹底されていないようですが、この知識こそ、噂レベルでも良いから全国に広めるべきですよね。)
備えた上で、斃(たお)れてほしかった
備えをしたところで、強襲されれば無駄だったかもしれませんが、見ているこちらとしては、防ごうという意識がある上で抵抗してそれでもダメだったのか、まったく無防備・想定不足の上で被害に遭ったのかでは、納得度合いが違うんですよね。
備えた上で、それでもダメだったとしてほしかったんですよ。その方が、自然を甘く見ずに真剣に生きていたんだなという感じがして、リアリティーがあるから。
まあ、それまでが、よほど何事も無く平和な日々だったせいなのかもしれませんが……。
(炭治郎も、山のふもとの小屋で呑気に一人泊まってんじゃないよ! 血の臭いをかぎつけるのが遅いし!)
主人公が非常に真面目
それにしても主人公の竈門炭治郎は、たぐいまれに見る人格者キャラですね。
すごく真面目で、一生懸命で、道徳観があり、正義感があり、我慢強く、優しくて、明るくて、何なのっ? 非の打ち所がない、完璧すぎ、優等生すぎぃ!!
少年アニメの主人公で、ここまでアンパンマンのようにビシッと正統派ヒーローだった人がいるだろうか……と思うくらい正統派。
でもだからこそ、安心して見ていられますね。あの真面目さは失ってほしくない。スレてほしくないです。
ああいう男性と結婚すれば女性は幸せになれるだろうなあ……と思って見ています。炭治郎って理想の男性像です。
頑張る理由が家族なのが良い
そして、炭治郎が努力する理由が、自分の欲望を叶えるためではなく、家族(妹)を救いたいからというのが良いですね。
家族愛をテーマにしているところが、この作品に温かさを与えていると思います。
武器が日本刀というところに滾(たぎ)る
あと、この作品は、すごく日本的なテイストが強くて、鬼殺隊がちょっと新撰組っぽかったり、日本人の心をくすぐる要素が多いと思うのですが、中でもカッコイイのが武器の日本刀(日輪刀)です。
日本刀っていいですよね。構えとか、斬りつける姿勢そのものが絵になる。
しかも日輪刀、特別な鋼から造られて、持ち主によって色が変わるとか……設定に夢がありすぎ、カッコよすぎ……。
鞘に収める動作が描写されてるのがイイ
そして鬼滅の刃において、特に素晴らしいと思ったのは、日本刀を鞘に収める動作がきちんと描写されているところ。↓
↑使い終えた刀を軽く振り……。
↑鞘に添えた拳(親指)の上で刀の峰を滑らせ……。
↑切っ先から鞘に収めていく。
↑この、一連の動作!!
私は鬼平犯科帳などの捕り物時代劇がけっこう好きでたまに見るのですが、その鬼平犯科帳でも、お頭(かしら)の長谷川平蔵が刀を振るった後、こうして鞘に収めるのがカッコ良いのです。
そういう、本格派時代劇にも通じる動きをちゃんとアニメの中でやってくれているというところに感動しました。
自分を励ます台詞が良い
あと炭治郎は、めげそうになったときに自分で自分をよく励ましていますが、その励ましに同調してこちらも勇気をもらえる感じが良いですね。
まっすぐに前を向け、己を鼓舞しろ 頑張れ炭治郎、頑張れ!
俺は今までよくやってきた。俺はできるやつだ。
そして今日もこれからも折れていても、俺が挫けることは絶対にない
↑こうやって自分を励ますのって大事ですよね。
肉体のダメージに対するリアリティー
戦闘物アニメでは、登場人物が怪我を負っても、そこまで痛がったり回復に時間がかかったりしないような気がしますが、鬼滅の刃では怪我をするとちゃんと重いダメージを登場人物が受けて、完治するまで痛がってるし、回復にも日数を要しているのが本当の人間の肉体っぽくて良いなと思いました。
可哀想だった敵:響凱
鬼滅の刃においては、敵がただ憎い敵のまま終わるのではなく、なぜそのような鬼になってしまったのか、悲しい背景が描かれて、思わず鬼にも同情してしまう部分があるのですが、中でも可哀想だったのは響凱(きょうがい)です。
↑元々響凱は物書き志望で、伝奇小説を書いていました。
けどそれを、出版社の人なんだかただの知り合いなんだかわからないのですが、偉そうなおじさんに踏みつけにされ、滅茶苦茶に否定されるんですよね。
諦めなよ。つまらないよ、つまらないんだよ君の書き物は。
すべてにおいてゴミのようだ。美しさも儚さもすごみもない。
もう書くのはよしたらどうだい? 紙と万年筆の無駄遣いだよ。
最近は昼間まったく外に出てこないし、そんな風だから君はつまらないのさ。
趣味の鼓でも叩いていたらいいんだ。この家に閉じこもって。それもまあ人に教えられる腕前でもないが
↑ってさあ、おじさん、いくら何でもこれは言い過ぎ!!
こんな風に言う必要ないじゃん。
たとえ響凱の書く物が面白くなかったとしても、別におじさんに迷惑をかけているわけでもなし、放っておけばいいじゃん。
もう物書きの道は諦めて別の道に進んだ方が響凱のためと思ったなら、そういう風に、優しく諭せばいいじゃん。
原稿用紙を踏みつけたり、作品をゴミと言ったりする必要性が微塵もない。おじさんのストレス発散をしているだけ。こんなんじゃ恨みを買ってしまうのは仕方ない。
↑最後、炭治郎に斬られた響凱は、消えゆきながら炭治郎に尋ねます。
小僧、答えろ。小生の血鬼術はすごいか?
それに対する炭治郎の答えは
すごかった、でも、人を殺したことは許さない。
というものでした。
ここ、できれば、足元の原稿用紙を少し読んで、「この書き物も面白い。できれば続きが読みたかった」くらい言ってあげてほしかったです。
私自身も文章を書くのが好きなので、響凱が受けた仕打ちが我が事のように感じられて、すごく可哀想になってしまいました。
錆兎と真菰
↑あと、とても心に残ったのは錆兎と真菰です。
孤児だった上に、まだ子供なのにあんな風に鬼に殺されて、成仏もできず幽霊となって炭治郎に剣の指導をしたりしていて可哀想すぎ。
無事に大きくなれば立派な青年、素敵な女性になっただろうに……チクショーー!!
炭治郎が仇を討ったことで成仏して天国に行ってほしいです。ご先祖様、迎えにきてあげて。
そして温かな安らかな世界で、幸福に満ちて暮らしてほしいです(涙)。
善逸について
主要キャラの一人我妻善逸については、私が鬼滅の刃を知るきっかけになったYouTuberが彼のファンで、よく「炭治郎~~」と情けない雰囲気の物真似をしていたのでそんな感じなのかなと思っていたのですが、想像よりは男っぽかったです。
というか、見た目はけっこうか弱い感じですが、声が意外と野太いですよね?
女性声優が当てても良いくらいなルックスのところを、実際は下野紘さんが演じてらっしゃる。それが、男っぽいイメージにつながっていると思います。
でも下野さんは、ギャグっぽい表現が秀逸ですよね。「炭治郎~~↑」みたいに声がひっくり返るところとか。そこが採用の決め手になったのかなと思いました。
善逸は、普段はすごく恐がりで臆病でカタカタしていますが、そういう部分は私にもあるので共感しました。
でも、恐怖がマックスになるとプツンと事切れて本来の強い善逸が出てくるという。そこまで極端でないにせよ、恐がりな自分の奥にある本当の強い自分というものを日頃から意識し、大事にしていきたいと思わされました。
ボス:鬼舞辻無惨
鬼滅の刃における大ボス、鬼舞辻無惨については、「無惨ってどういう名前だよ(笑) ひどすぎ(笑)」というのが第一印象でした(笑)。
でも、そんな名前をつけられてしまうくらい、その名の通り、ひどいヤツなんですよね。
ただ、見た目は思ったより小柄で、優男風。
私の母は「マイケルジャクソンみたい」と言っています。
でも、そういう優男風が、実はロクデナシってことは「あるある」だなあと思いました。
無惨の奥さん
無惨は、人間世界で一応結婚して子供もいるようでした。
無惨を夫に選んだ奥さん……男を見る目なさすぎぃぃぃ!!
「人間として暮らしているときは良い夫なんじゃない?」と母。
いや……一見良い夫に見えても、本性は鬼ですぜ?? 鬼。
いつ豹変するかわからん。
でも、ずっと猫をかぶられていたら、本性を見抜くのは大変ですよね。奥さんも騙されたんでしょう。
せめて無惨の奥さんと子供が最後まで無事でいることを願いたい。
母は禰豆子推し
↑ちなみに、母は禰豆子が可愛いと言っており禰豆子推しのようです。暗がりで布団をかぶって小さくなっているあたりが可愛いそうです。
私は、第一期終了時点では、胡蝶しのぶがわりと好きです。微笑みつつ冷徹なところが格好良く見えます。
色々な謎
第一期、26話をすべて見て、まだ色々な謎が残っています。
炭治郎の額の傷跡はいつできたのか(禰豆子が生まれたてのときはまだ傷はなかった)。
炭治郎の耳飾りは何なのか(無惨と関係ありそう)。
炭治郎の父親は何者なのか??
基本的に、戦隊ヒーロー物のようにわかりやすい善と悪のお話で、最後は無惨を倒してハッピーエンドなのかなという気はしますが、そこに至るまで登場人物がどんな成長を遂げるのか、興味があります!
善逸と禰豆子はくっつくのかなあ?
炭治郎は何かの柱になれるのかなあ? めっちゃ強くなるのかなあ?
善逸は「一の型」以外の技を習得できるのかなあ?
2021年9月25日に「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」がテレビで初放送され、その後、アニメ鬼滅の刃第二期「遊郭編」もスタートするということで、それらはバッチリ!! リアルタイムで追っていきたいと思います。
「進撃の巨人」の他に、追えるアニメができて嬉しいです!
(次の感想→「無限列車編~煉獄さんを誰も助けに来ないことに柱の連帯感を疑う。炭治郎に仇討ちしてほしい。」↓)