↑NHK朝のドラマ小説「あまちゃん」。これ、面白くて、毎日楽しみに見ています。
朝ドラらしくないギャグがちりばめられているのが新鮮。「わかる人にはわかる」というマニアックなギャグにはニヤリとしてしまいます。
(一番印象に残っているのは、副駅長さんが東北弁の「んだ」を使って、「んだんだんだ♪」とスーパーマリオブラザーズ地下面の音楽を口ずさんだ場面です。)
↑スーパーマリオブラザーズ地下面の音楽
尾美としのりさん
そしてこのドラマで私がなんとなく注目しているのはアキのお父さん役、尾美としのりさん。
尾美としのりさんと言えば、私の中では鬼平犯科帳(中村吉右衛門主演)の「うさぎ」こと木村忠吾。
ヘラヘラしたところもあるけれどお頭(長谷川平蔵)に対する忠節の心は厚く、いざとなれば勇敢でもある。
ちょんまげの横顔がキリッとしていて、鬼平犯科帳に出てくる人物の中では気に入っていました。
ですから、「あまちゃん」で尾美さんを見つけたときに「あっ。うさぎじゃない?」と、大注目。
鬼平犯科帳で見せるコミカルなうさぎの演技が評価されて、あの、どこか抜けた感じのあるお父さん役に抜擢されたのかなあ……なんて思っています。
今後の展開への希望
スリージェイプロダクションとして再結束した元黒川家の面々。このまま春子(小泉今日子)と正宗(尾美としのり)がヨリを戻して、あの三人がまた家族になればいいなあと思いながら見ています。
それと、打倒太巻ですね。ユイちゃん(橋本愛)も巻き込んで、抜きんでた成功を収めてほしい! ユイちゃんは、あんなうらぶれた、夢諦めた状態なんかでは終わってほしくないです。
ヒーロータイプがいないのが良い
あと、このドラマって、男性陣が全員ちょっと抜けた感じなのが面白いです。いわゆるヒーロータイプがいないのです。
(種市先輩(福士蒼汰)なんて、登場当初は絶対に少女漫画に出てくる王子様タイプだと思ったのに。)
でもだからこそ、行動の先が読めないというか、この人は今後どういう風に展開していくんだろう……とハラハラしながら見守る楽しさがあるんだなと最近思います。
追記1:ドラマの展開が変わっている
2013.09.12追記:上の文章を書いた頃に予想していたものとは、ドラマの展開が違ってきています。
まず太巻。あの人は、途中から急に借りてきた猫のようにおとなしく毒気が抜かれましたね。
毒毒した太巻に見慣れていたので、「このおとなしいのも表面上の演技で、実は何かあくどいことを考えているのでは……」と思っていましたが、なんだか一貫しておとなしくて拍子抜けです。
それとユイちゃんは、上の文章を書いたときはまだ茶髪の不良風だったのですが、その後お嬢様系の外見に戻りましたね。ただ、精神には覇気が戻ってきていないまま。でも、きっと今後アキとともに潮騒のメモリーズとしてどこかの舞台に立つことになるのではないかと予想しています。
尾美としのりさんの役者魂
あと、私がこのドラマで注目していた尾美としのりさん。最初は鬼平犯科帳の木村忠吾にしか見えなかったのですが、最近になってようやく「アキのお父さん」に見えるようになってきました。
喫茶店で、鈴鹿ひろ美が太巻と結婚することを聞いたとき、アキのお父さん(尾美さん)が感極まって泣くシーンがありました。そのとき、尾美さんの目には本当に涙がじわっと浮かんで、役者魂を感じました!
あのくらいのシーンであれば、泣き顔と泣き声だけで済ませてしまう役者さんも多いと思います。私が今まで見てきたドラマではそうでした。でも尾美さんは、ちゃんと感情移入して、短いシーンでもちゃんと涙ぐんだのですから素敵です。さすが長谷川平蔵が一番可愛がっている部下だけあります。
最終回ももうすぐ。どんな結末を迎えるのか、楽しみに見守りたいと思います。
追記2:最終回を迎えてしまった
ついに「あまちゃん」が終了してしまいました。
第一回目の放送で、携帯電話の画面に「( ‘ j ’ )」(じぇ)という顔文字が使われているのを見たときには、このドラマのノリについていけるだろうかとちょっと不安に思いましたが、その独特のノリが逆に面白くなり、怒濤の展開を楽しみにする毎日でした。
尾美としのりさんの真剣さが与えていた重み
私はこのドラマで、鬼平犯科帳の「うさぎ」こと木村忠吾役だった尾美としのりさん(あまちゃんの中ではアキのお父さん)に注目していました。
尾美さんは、あまちゃんの役者陣の中で、一番演技がリアルでした。
他の人は、どんな真面目なシーンでもどこか本気ではないというかおちゃらけた空気を醸し出しているのに、尾美さんだけは、怒るときはやけに本気の憤怒の表情で、こちらが緊張するほど怒気を込めた声を出すし、泣くときも、喜ぶときも、一人だけ周りから浮いて「真剣」でした。
その真剣さを、最終回で、副駅長さんに「面倒くさい」と言われてしまっていて……(笑)。でもこの「面倒くさい」というのが、なるほど、言い得て妙だなと思いました。
全体的に軽く面白い雰囲気のあるこのドラマの中で、一番「真剣」ゆえに「面倒くさい」人間だったのがアキのお父さんだったのかなと思います。そしてそんな尾美さんの存在が、ドラマに重みと落ち着きを与えていたのかな……と。
子煩悩でいつも熱い「アキのお父さん」役で、尾美さんの新たな魅力を見せてもらいました。結婚式のタキシード姿は格好良かった!
潮騒のメモリー
その他、あまちゃんについての雑感。
鈴鹿ひろ美が歌う「潮騒のメモリー」。これは、待ちに待った! という感じでした。
鈴鹿ひろ美を演じる薬師丸さんの歌声は、ドラマ内ではいつも消されていました。
薬師丸さんといえば、映画「セーラー服と機関銃」のテーマソング「夢の途中」(さよならは別れの言葉じゃなくて……♪)が有名。
鈴鹿ひろ美は音痴という設定だけれど、薬師丸ひろ子さんは歌がお上手とわかっていたので、薬師丸さんの「潮騒のメモリー」を聞けるときが来るのを楽しみにしていました。
そして実際に歌声を聞いたら……なんだか、それまでは明るい曲だと思っていた「潮騒のメモリー」が急に切ない感じに。薬師丸さんの声は、なにか、哀切を帯びていますね。
ヒビキ一郎
潮騒のメモリーズ人気に火をつけた立役者とも言える、元おっかけ、現アイドル評論家のヒビキ一郎(村杉蝉之助)は憎めないキャラでした。
最後の最後、お座敷列車の乗車券をアキのお父さんに譲り、自分は電車の外から写真を撮りまくっていましたが、ヒビキ一郎が潮騒のメモリーズに熱狂する姿を最後にもう一度見たかったなあ(笑)。
マネージャー水口
マネージャー水口琢磨役を演じた松田龍平さんは、今まで、二枚目な役でしか見たことがありませんでした(映画「御法度」の加納惣三郎や「NANA」の本城蓮など)。
本作で初めて三枚目の役柄を見たのですが、個人的に、松田さんは水口のような木訥な青年の役がとても合いますね! 松田さんの魅力を引き出していたと思います。
ドラマの中で水口は、ちょっとアキに惚れていた様子。種市先輩と本気で取り合いになったら面白いのにな……と思って見ていましたがそうはなりませんでした(笑)。今後の水口の恋愛事情が気になります。
合同ライブ
GMTと天野アキの合同初ライブ。これ、太巻は「延期」と言っていましたが、やっぱり結局立ち消えになってしまいました。
アキがアイドルとしてまさにこれからというときで、どんなステージになるのかぜひ見てみたかったので、中止になったのは残念でした。
あのタイミングで地元に戻りたくなるのはアキの心情としては自然だったと思いますが、私としてはもう少し芸能界で活躍するアキを見ていたかったなという思いです。
面白かった
総じて面白いドラマでした。ドラマ内の時間は2012年で終わっていたので、2013年の今年はもう完全に電車も開通して、潮騒のメモリーズも元気に活躍しているのかな……と、今につながる余韻があったのが良かったです。
主演の能年玲奈さんは、撮影終了時の挨拶で、「一日も早く『あまちゃん2』にクランクインしたい」と言っており、『あまちゃん2』があるなら私も見たいです。
ただ、脚本の宮藤官九郎さんによると「現実的に難しい」(yahooニュースより)とのことで、今のところあまり大きく期待はできないのかな……。
でも続編を願う声が多ければいずれは実現も可能なのではないかと思います。「あまちゃん2」が見られる日が来るのを楽しみにしていたいと思います!