↑ディズニーアニメ「レミーのおいしいレストラン」を見ました。
料理の才覚があるドブネズミが、腕が未熟な見習いシェフ(人間)に力を貸して美味しい料理を作る……というお話。以下、ネタバレありの感想。
ドブネズミに抵抗感
まず、これ……映像がリアルすぎるんですよね。ネズミの毛並みなど、よく表現されています。だから、「ドブネズミが料理を作る」という点が、本当に現実のものに見えて、どうしても抵抗を感じます。
どうしてドブネズミじゃなきゃいけないんだろう? もっと違う動物じゃいけなかったんだろうか? ……とアニメを見ながら何度も思いました。たとえば同じ齧歯類ならリスとか……。せめてハムスターとか……。
でも、この映画では、「人間に忌み嫌われている存在(ドブネズミ)と人間の共存」というのもテーマになっているようでしたから、やっぱり製作者の立場としてはドブネズミで行きたいんでしょうね……。
もうちょっと映像を平たくして、昔ながらのセル画アニメ風にしてくれれば、リアル感が減って「ファンタジー」として受け入れられたかもしれません。
ドブネズミたちは作品中で、自分たちが人間に嫌われる身であることをただ恐れ悲しんでいましたが、嫌がられている理由をもっと理解してほしいなと思いました。
人間にとっては、ドブネズミは病原菌の媒介者なわけですから、自分たちの健康を守るためには排除せざるをえない。
そこを知ろうともせず、ただ「憎まれて悲しい」とだけ言っているのは、ドブネズミ側の努力不足に思えました。
料理を一番美味しくするのは…
今まで手厳しかった料理批評家が、主人公が作ったラタトゥイユを食べ、おふくろの味を思い出して感動し、大絶賛する。この流れからは、「母親が子どものために作ってくれる料理が一番美味しい」というメッセージを感じました。
母親が子どものために作る料理とは、つまり、子どものためを思い、愛情を込めて作る料理のことですよね。
「料理を一番美味しくするのは愛情」ということなのかな? と思い、日頃、自分が料理を作る際にちゃんと愛情を込めているかな……なんて己を振り返ったりしました(結果、愛情を込められているかはわからないけれど真剣ではあるという結論に達しました)。
冒頭、ネズミを退治するために、おばあさんが銃をぶっ放したのには驚きました(笑)。お国柄ですね。同じシーン、日本が舞台であればどんな表現になるかな? 雑誌を丸めてネズミを追い、床や壁を叩きまくる感じでしょうか。
レミー亡き後が気になる
ドブネズミの寿命は飼育下で三年なのだそうで(参考:wikipedia)、そう遠くないうちに、このアニメの料理家ネズミ「レミー」も世を去ってしまうことが想像できます。
レミー(ネズミ)の才能に頼ってレストランを経営してきた主人公の本当の闘いはそこから始まると思います。ネズミがいなくても、自分の能力と努力でちゃんと美味しい料理を作れるシェフになれるのか?
レミー亡き後の主人公のストーリーもぜひ見てみたいところです。